医療法人設立の相談は保健所にすべきですか?手続き先とサポート内容を解説

医療法人設立の相談は保健所にすべきですか?手続き先とサポート内容を解説

医療法人を設立しようと考えたとき、「まずどこに相談すればいいのか?」と悩む方は多いのではないでしょうか。特に診療所やクリニックを運営中の医師、これから法人化を検討している個人開業医の方にとって、設立手続きの複雑さや行政機関の役割分担は分かりにくい部分が多くあります。

中でも「保健所に相談すべきか?」という疑問はよく聞かれます。本記事では、その疑問に明確に答えつつ、医療法人設立における行政機関の役割や、スムーズな手続きを進めるためのポイントを詳しく解説します。

医療法人設立の相談先は保健所ではない

結論から言えば、医療法人設立に関する相談の一次窓口は、基本的に「都道府県の医務主管課」であり、保健所ではありません。

医療法人の設立認可は医療法に基づく行政手続きであり、その所管は都道府県知事です。具体的には、都道府県庁の中にある「医務課」や「医療政策課」などの部署が対応窓口となります。

保健所は医療機関の施設基準や開設届の受理などを担当する機関であり、医療法人という法人格の設立自体には直接関与しません。したがって、設立手続きを進める際は、まず都道府県庁の該当部署に連絡を取り、相談や事前協議を行う必要があります。

なぜ保健所ではないのか?制度上の理由を解説

医療法人の設立は、「医療法」によって定められた手続きで、都道府県知事の認可が必要です。保健所は地域の保健行政を担う出先機関であり、医療機関の開設や施設管理、感染症対策などを主な業務としています。

そのため、開設後の医療機関に関する実務的なやり取り(例:診療所の構造設備基準、届出変更など)は保健所が窓口になることもありますが、「法人設立」の段階では都道府県庁が中心的な役割を担います。

たとえば東京都では「医療法人の設立・運営に関する手引き」が医療政策部のサイトで公開されており、手続きの流れや必要書類が詳しく案内されています。

よくある誤解:「とりあえず保健所に聞けばいい」は正しい?

「医療関係のことだから、まず保健所に聞けばいいだろう」という誤解は非常に多いですが、法人設立に関しては適切な窓口ではありません。仮に保健所に相談したとしても、「都道府県庁にお問い合わせください」と案内されるのが一般的です。

もちろん、すでに開設済みの診療所の構造変更や設備に関する相談であれば保健所が対応可能ですが、法人化そのものに関する相談には対応できないのが通常です。

実務での注意点:スケジュールと書類準備が重要

医療法人の設立認可は年に2~3回しか申請受付期間がない自治体も多く、提出書類も非常に多岐にわたります。具体的には、定款案、事業計画書、財産目録、設立趣意書、診療所の開設届など、多くの添付資料を準備する必要があります。

また、既に診療所を開業している場合は、「持分なし医療法人」への移行に関する特例の確認や、個人名義の資産を法人へ移す手続きも発生します。こうした点は行政庁への相談と並行して、専門家と連携して準備を進めることが望ましいでしょう。

専門家の支援:行政書士・税理士・社労士の役割

医療法人の設立は、医療法だけでなく、会社法、税法、労働法など複数の法令が絡むため、士業の支援が非常に有効です。

  • 行政書士:定款作成、設立認可書類の作成・提出代理などを行います。
  • 税理士:法人化による税務上の影響、資産の移転に伴う課税関係の整理をサポートします。
  • 社会保険労務士:法人化後の職員の労務管理や社会保険手続きに対応します。

特に行政書士は、医療法人設立に関する行政手続きを主に扱う事務所であり、事前相談から設立完了まで一貫してサポートできる点で、非常に頼りになる存在です。

まとめ:まずは都道府県庁の医務主管課に相談を

医療法人の設立を考えている場合、最初に相談すべきは保健所ではなく「都道府県庁の医務主管課」です。スムーズな手続きを行うためにも、自治体の公式サイトなどで担当部署を確認し、設立スケジュールや提出書類の情報を早めに入手しましょう。

また、設立準備には専門知識が必要な場面も多いため、行政書士など専門家の支援を受けることも有効です。医療法人化によるメリットを最大限に活かすためにも、適切な相談先とサポート体制を整えておくことが大切です。